「ゆるキャラのすすめ / 石井一久」は仕事論の塊だった。

この本は、全くゆるくない!

ゆるキャラのすすめ。

ゆるキャラのすすめ。

 

今回は、元プロ野球選手・石井一久さんの著書 ゆるキャラのすすめ。を紹介したいと思います。

最初に言っておくと、これを読んだら野球がうまくなる!ような本ではありません。しかし、チームや社会の中で「無理して力まなくていいんだよ〜」と教えてもらえる本でした。

目次はこんな感じです。

  • 第1章 ゆるゆるでいこう。
  • 第2章 ”オトコ気”は要らない。
  • 第3章 周囲を照らす。
  • 第4章 感性を大事にし、自分なりにもがく。 

 

仕事論の哲学が心に刺さる

この本では『仕事』について書かれている言葉が多く、その中でもグサッときた言葉を紹介したいと思います。 

他人は他人と割り切る

他人は他人。僕が投げられないボールを野茂さんは投げることができる。野茂さんが投げられないボールを僕は投げられるし、それぞれに特徴や持ち味があるのだから、それを活かしてチームの勝利に貢献すればいいだけのこと。

僕は、他人と比べる癖があり、SNSのタイムラインなどを見て「あの人はこんな仕事をしている」と比べると毎回、とてつもない劣等感に襲われます。これってまさに、この「他人は他人…」という考え方がかなり欠如しているのでしょう。

 

周囲の声には意味がない

ある指摘に影響されて、自分の行動や考え方を変えたところで、指摘した人がその結果に責任を取ってくれるわけではない。それがわかれば、周囲の視線や声は、大半が意味のないことだと理解できるだろう。

周囲の意見って本当に無責任ですし、自分が思っているほど他人は自分を見ていないんですよね....と分かっていながらも、やはり客観的に見た自分の姿は気になりるものです。 だからこそ、他人からの意見や評価をこうして割り切る力がシンプルにカッコよく思います。

 

他にも、根性論や自己犠牲を否定していたり、プレッシャーで潰れるなら辞めた方がいい、など自分のプライドや欲の使いどころについての言葉に魅力を感じました。

 

理想的な家族観

この本には章と章の間に全部で3つのコラムがあり、その1つが石井さんの奥様、佐々木彩子さんのインタビューだったのですが、そこで書かれていた家族観が素敵すぎました。

空気を共有している

この言葉は、家族の距離感の話で書かれていて、とても印象的でした。

夫婦間でも、仕事はそれぞれ頑張って、プライベートも干渉しすぎず、喧嘩もないそうです。

僕は、全く結婚願望はないですが、”空気を共有”という距離感がとても理想的でした。

このインタビューでは、奥様の視点で石井さんが引退した時の話や怪我をした時の話なども書かれており、この本の中でも長く手を止めたパートでした。

 

石井さんの言葉の背景

ヤクルト・スワローズに在籍していた時にノーヒットノーランを達成したのですが、この試合の裏で石井さんは監督に意外なことを話していました。

その試合、石井さんは好調でした。しかし、8回終了時、野村克也監督(当時)に

「そろそろ降りましょうか。交代ということで」

ノーヒットノーランを前に監督にまさかの交代を申し出たのです。

もちろん監督は交代を認めず結局、石井さんが続投し、ノーヒットノーランが達成されたわけですが、この言葉だけ聞いても交代の意味がよく分かりません。

しかし、この交代を申し出た理由を石井さんは、担当医から「少しでも長く選手生活を続けたいなら、1試合の投球数を100球までに抑えるべきだ」と助言されていたから、交代を申し出たそうなのです。

ノーヒットノーランを目の前にして、この冷静さ...驚きです。

 

 ノーヒットノーランに価値はない

そもそも石井選手は、ノーヒットノーランに価値を感じないそうなんです。

僕は、一瞬の大活躍よりも、コンスタントに自分の仕事をして、コンスタントに結果を残すことを重視して選手生活を送ってきた。たった1試合だけの個人的な記録より、長いシーズンを通じて安定した結果を残し続け、チームの優勝に貢献することのほうが、はるかに大切だと考えていた。

ここまで説明されると交代の申し出も利己的なものではなく、組織として試合を冷静に考えての言葉だった。と印象がかなり違います。

こんな感じで、言葉だけ聞くとよく分からないことも、実はすごく本質的で熱い内容の言葉が多いのが、この石井さんの本の特徴だと思います。

 

こんな人に読んでほしい!

僕が、この本を手に取ったのは、「アスリートっぽくなかったから」です。

元選手の本というと過去の大記録や過酷な練習が書いてある本が多いですが、この本はそういった場面が一切ありません。逆に言えば、野球の細かい話は一切なく、野球をあまり知らない方も読みやすい本だと思います。

読み終わってまず思ったのが、新社会人の方やスポーツをする子供のいる方に読んでもらいたい!ということです。

もちろん、指導者や学生アスリートにも読んでもらいたいのですが、どこか自己啓発的な部分があったり、組織の中の自分という視点が多いので、スポーツに関わる人だけでなく、普段アスリートの本を読まない人にもオススメしたい本です。

 

まとめ

正直のところ、僕は石井一久さんの現役時代をよく知りません....アスリートというとストイックで熱いイメージですが、テレビで見る石井さんは、穏やかな変わり者であまりアスリートっぽくないという印象でした。しかし、内面にある一本筋の通った言葉たちには、すごく温かさを感じました。

 

この本の著者はこんな人

f:id:ryo_72:20170624174126j:plain

 石井一久(いしい かずひさ)

生年月日:1973年09月09日
身長/体重:185cm /100kg
血液型:O型
出身地:千葉県 千葉市若葉区

Twitter石井一久 (@ishiikazuhisa16)

  

経歴

東京学館浦安高校から1991年ドラフト1位でヤクルトスワローズに入団し、以来10年間、先発として5度のリーグ優勝と4度の日本一に貢献。02年、MLBロサンゼルス・ドジャースに入団。05年、ニューヨーク・メッツに移籍。06年、5年ぶりに日本球界に復帰し、古巣のスワローズでプレー。08年、埼玉西武ライオンズに移籍。11年8月には史上最速で通算2000奪三振を達成するなど、球界を代表するベテラン左腕に成長した。13年、現役を引退。

最多奪三振(1998年、2000年)、最優秀防御率(2000年)、最高勝率(1995年)、日本シリーズ優秀選手賞(1997年、2001年)

ゆるキャラのすすめ。

ゆるキャラのすすめ。