グルテンフリーダイエットは中途半端。健康ならグルテンをフリーにする必要がない話

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グルテンフリーは、海外モデルやアスリートが取り入れていることで話題になり、一時的に日本でも人気な食事法になりました。

そこで今回はグルテンフリーのダイエット効果を軸にグルテンフリーが効果的なのは一部の人だけ」という話をしていきます。

 

 

そもそもグルテンフリーって何?

グルテンフリーという言葉は以前より認知されていると思いますが、グルテンという成分そのものは、いまいち馴染みがないかと思います。

なので、まず”グルテン”と”グルテンフリー”について触れていきます。 

 

グルテンとは......小麦などの穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種。

このグルテンには弾力性と粘着性があり、パンやドーナツ、クッキー、パスタなどの麺類、ピザ、ホットケーキなどに多く含まれています。

グルメ番組などで、麺類などを食べたときに「コシがありますねー!」みたいなコメントがありますが、そのコシの食感を作り出しているのが、このグルテンです。

このグルテンを制限すると「痩せる」「肌がキレイになる」「体質が変わる」などの効果があると言われています。

グルテンフリーは名前の通りグルテン”フリー”(食べないように)にするだけでいいので、今すぐにはじめられる食事法です。

 

 

ここから少しグルテンフリーで重要になる麦について触れていきます。

 

僕たちは小麦をどれくらい食べているのか

グルテンは麦系の食材に含まれているので、普段の食事の中で無意識に摂取しています。では、日本人はどれくらいの小麦を摂取しているのでしょう。

小麦の摂取量を比較(国別・一人あたり)

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日本の小麦摂取量は、4,177,000㌧ / 一人あたり年間32.9kg(農林水産省/特集1 麦(2)

EUが1位となっていますが、国別では中国が圧倒的。1人あたりの摂取量では、カザフスタンの年間385.8kgが世界1位になっています。

グルテンが含まれる麦系の食品を日常的に多く消費する国の方が、よりグルテンフリーの効果が得やすいと言えます。 

 

しかし、小麦を一人あたり年間32.9g(約33kg)食べていると言われてもいまいちイメージがつかないので、小麦の年間摂取量をうどんに換算しました。

 

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うどん1杯に80gの小麦粉が含まれているとすると、年間413杯、月34杯ほど食べていることになります。日本全体でみるとそこまで小麦に依存した食事ではなさそうです。

次に米の消費量を見てみます。

 

米の消費量を比較(国別・一人あたり)

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日本の米摂取量は7,966,000㌧ 一人あたり年間55.2kg(農林水産省/特集1 米(2)

ここでも人口の多い国が上位を占めている中、日本は小麦の消費量が世界22位に対して、米の消費量は世界10位。やはり小麦に比べ、米の消費の方が多い結果でしたが、アジアの中ではかなり少ないように思います。 

 

この米を一人あたり年間55.2kg(約55kg)はお茶碗1杯に換算します。 

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お茶碗1杯がお米65g だとすると、年間846杯、月71杯。1日1杯ちょいくらい。

思ったより少なく、小麦も米もそんなに食べていないという微妙な感じ......僕たちは一体、何を食べてるんでしょう。

 

小麦とお米の話が出たので、もう少し踏み込んでみます。

 

パンと米の圧倒的な違い

グルテンフリーでは麦系の商品を制限するわけですが、小麦の食品で手軽に食べられるパンは、ご飯と同じ主食カテゴリーのようで、実はパンとご飯は内容を見ると大きく差があります。

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ご飯に比べ、パンはバターや塩などのが含まれています。そのため、パンのカロリーが高くなっています。また、血糖値の上昇速度を表すGI値もパンの方が高いので、普段パン食の人がご飯に変えるだけでも、1日の摂取カロリーが少なくなります。

なので、カロリーが高くなりがちな小麦食品を避けるグルテンフリーは、日常的に小麦を食べる習慣のある人の方が、減量効果はありそうです。

 

ダイエットまでしなくても、ちょっと摂取カロリーを抑えたい方は、パン食よりご飯食がオススメです。

 

本当にグルテンをフリーにする必要はあるのか 

ダイエットを目的にグルテンフリーを知った方も多いと思います。

しかし、グルテンを制限することで起こるダイエット効果については非常に疑問を感じます。

ダイエット効果のポイントは”グルテン”ではなく”糖質”

食事の栄養バランスを評価する指標として「PFCバランス」というものがあり、その中で、糖質や炭水化物は1回の食事で50〜65%と構成する栄養素のほとんどを占めています。

食事のバランスを見ても、僕たちのエネルギーは糖質に頼っているんですが、そもそも糖質は薬物(コカイン)よりも依存しやすいという報告があるくらい、切り離せない栄養素です。

先ほど、グルテンを多く含む食品を少しだけ紹介しましたが、グルテンが含まれる食品の多くも、この糖質に分類されます。

つまり、グルテンフリーで、グルテンを避けながら生活していくと、結果的に糖質を制限した状態に近くなっていくんです。(中途半端な糖質制限

 

グルテンフリーのダイエット効果は、グルテンを摂らないことで起こるのではなく、糖質制限によるものだと考えられます。

これがダイエット効果があると言われる原因です。

 

グルテンフリーダイエットと言われるものは、結果的に糖質を制限することで摂取カロリーが減って痩せているだけで、グルテンを摂らなくなったこととは直接関係ないといえます。 

 

グルテンフリー食品って誰のため?

グルテンを制限するときに安心して食べられるグルテンフリー食品というものがあります。この食品にグルテンは含まれていませんが、ただの糖質なので、これらを食べても糖質制限での減量効果は期待できません。

 

ただ、このグルテンフリー食品が非常に効果的な方がいます。

それがセリアック病やグルテン過敏症の方です。これらの方はグルテンが免疫反応の引き金になるため、グルテンフリーは有効な食事方法になります。

 

グルテンフリーしてるから最近体調いいんだー♪」

みたいな意識高い系の方(グルテンに関する疾患のない方)がグルテンフリーをしたところで、ただの軽い糖質制限になるだけで、とくに大きな効果は得られません。

それどころか、グルテンは制限しない方がいいという報告すらあります。

  

疾患がないならグルテンは制限しなくていい

グルテンフリー = ほぼ糖質制限になる」という話をしてきましたが、グルテンの摂取に関しては、グルテンの摂取量が最も多い群(12g/日以下)は、最も少ない群(約4g/日未満)に比べ、2型糖尿病リスクが13%低下した。という報告があります。

セリアック病やグルテン過敏症などの疾患がない方でも、グルテンフリー食を取り入れていたりしますが、グルテンを除去した食品は、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が少なくなる傾向にあります。

そのため、セリアック病やグルテン過敏症でない限り、グルテンを制限しても2型糖尿病の予防にはならないとされています。

また、グルテンフリーによって制限される全粒穀物の摂取量が多いと、冠動脈疾患リスクが15%低下する可能性も示唆されています。

 

このことからも、グルテンに関連する疾患がなければ、わざわざコストをかけてまでグルテンフリーを行うメリットはないように思います。

ダイエットを目的とするなら普通に糖質制限をした方が早く結果につながってくれます。

 

まとめ

今回、ダイエット効果を軸に書いてみましたが、美容に関してもグルテンにアレルギーなどがあって、肌に反応が出ている方は、肌荒れなどの改善がされていくと思います。

あとは普段の食事でカロリーを摂りすぎている方も軽い糖質制限で肌が変化する可能性があります。

メディアの影響からか「グルテン=悪」みたいな印象を持っている方が多いですが、関連する疾患がなければ、わざわざグルテンフリーをする必要もありません。

個人的に、この手の話はちょっとうんざりしていますが、気になる方はネットだけでなく、専門店もあるようなのでチェックしてみてください。

 

※輸入の食品ではEUやアメリカなどのグルテンフリーと日本国内のアレルギー表示の基準が異なるようなので、グルテンに関する疾患のある方はご注意ください。(消費者庁:食品表示と適正化に向けた取組みについて