「ダイエットを始めても思うように体重が落ちていかない...」
1人でダイエットを始めた多くの人が感じる悩みだと思います。ゆるーく始めても結果が出ればいいのですが、上手くいかないことも多いです。
そこで各摂取カロリーの目安となる数値を決めることをオススメします。
まず、ダイエットや減量をする上で、運動以上に力を発揮するのがカロリー収支です。
・消費カロリー<摂取カロリー = 太る
・消費カロリー>摂取カロリー = 痩せる
この関係は崩れることはありません。「お腹いっぱい食べたいからたくさん運動する!」という方もいますが、体脂肪を落とす上でその考え方は現実的ではありません。
カロリー収支は食事でコントロールする方が、簡単なので挫折なく進めていけます。
今回は僕が日頃使っている「食事量を決めるカロリー計算方法」を紹介していきます。
- 1.体重ではなく除脂肪体重を基準にする
- 2.カロリー摂取のボーダーラインを知る
- 3.三大栄養素の割合と決め方
- 【例】体重61kg,体脂肪率15%,デスクワークの人の場合
- 体脂肪を落とすマイナスの作り方
- まとめ
※これから紹介する①〜⑥までの計算方法で算出できるのはあくまでも”目安”であり、確実な数値ではありません。体重の増減を見てカロリーなどの調整をしていく必要があります。
1.体重ではなく除脂肪体重を基準にする
各種基準値を設定する際、まずは自分の体がどんな状況なのかを知る必要があります。
一般的によく使われる”BMI”(体格指数:Body Mass Index)は「体重kg ÷ (身長m×身長)」で算出されるものなので、筋肉量や体脂肪量は計算に含まれておらず、身長に対して、筋肉量が多い方の場合、肥満に近い数値がでてしまう傾向があります。
そのため、BIMや適性体重を基準にするのではなく、体脂肪を除いた数値である”除脂肪体重”を基準に設定していきましょう。
① 除脂肪体重=体重ー(体重×体脂肪率)
”除脂肪体重”という言葉はあまり聞き馴染みがないかもしれません。
除脂肪体重は文字通り脂肪を除いた体重のことで、この体重を落とさずに体脂肪を落とすことで、リバウンドしにくくなります。
② 基礎代謝=370+(21.6×除脂肪体重)
基礎代謝は体が何も活動していなくても消費されるエネルギーのことで、体重を維持するために必要なカロリーをここで算出します。
2.カロリー摂取のボーダーラインを知る
③ カロリー消費=基礎代謝量×運動量
自分の基礎代謝量が分かったところで、普段の運動量を考慮し、1日の消費カロリーを求めます。ここで算出されるカロリーは今の運動量で体重の増減が起きにくい摂取カロリーの目安です。
ダイエットではこの数値を基準に目標に合わせて、カロリーを落としていきます。
この表から自分の運動量にあたる数値を掛けて計算します。
会社のデスクワークのみで運動をしない方は「ほぼ運動しない」でいいでしょう。実際よりも高く設定しがちなので、注意して設定していきましょう。
③ 1日のカロリー摂取上限=除脂肪体重×40
トレーニング習慣がある方は、除脂肪体重の40倍を1日のカロリー摂取の上限とする考え方もあります。ただ、このカロリーはトレーニングや運動を行うことを前提にしているため、すべての人に当てはまるものではありません。
また”上限”なので体重の増加や減少が起きにくいボーダーラインとして捉えましょう。
3.三大栄養素の割合と決め方
PFCバランスともいわれる三大栄養素のバランスは【炭水化物50~65%、脂質20~30%、タンパク質13~20%】とされています。(日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要)この数値では幅もあり、タンパク量が少なくなりやすいため、1つずつ目安を計算していきます。
タンパク質(Protein)
④ タンパク質摂取目安=除脂肪体重×2〜3
まず最初に決定したいのはタンパク質です。
タンパク質の摂取目安は「体重の2倍」と言われていたりしますが、脂肪細胞にタンパク質を与える必要はないので、除脂肪体重の2〜3倍で計算しましょう。状況に合わせて摂取できるよう3倍くらいまで幅を持たせて、考えておきましょう。※内臓が弱い方はこの限りではありません。
脂質(Fat)
⑤ 脂質=カロリー目安×0.2
何かと悪者のように扱われる脂質ですが、細胞膜や一部のホルモンなどは、コレステロールが原料になっているため、1日の摂取カロリーの10〜20%ほどは残しておきましょう。とは言っても、高カロリー(9kcal)であることは間違いないので、20%を超える摂取は避けるべきです。
炭水化物(Carbohydrates)
⑥ 炭水化物の摂取目安=総カロリー ー(タンパク質+脂質)
糖質制限やグルテンフリーなどの糖質を摂らないダイエット法が目立っていますが、極端な糖質制限を行うと、すぐに体重が落ちる一方、筋タンパクの合成もされにくく、体脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいます。
このことから完全に糖質を制限することはオススメできません。
1日の摂取カロリー目安からタンパク質と脂質のカロリーを引いて、残ったカロリーを炭水化物の摂取目安とします。※炭水化物=糖質+食物繊維
今回ダイエットを目的に栄養計算を進めてきましたが、目的関わらず、これらのバランスが体重の増減を大きく左右します。ここで算出されたカロリーなどは、すべて目安のものです。まずは、この食事で1週間過ごし、体重の変化によって微調節してください。
【例】体重61kg,体脂肪率15%,デスクワークの人の場合
・基本情報 体重61kg、体脂肪率15%、デスクワーク(その他の運動なし)
【1日の摂取量とカロリーの上限】
①除脂肪体重 : 61-(61×0.15)= 52kg
②基礎代謝 : 370+(21.6×52)= 1,493kcal
③消費カロリー : 1,493×1.2 = 1,792kcal
④タンパク質量 : 52×2 = 104g / 416kcal
⑤脂質量 : 1,792×0.2 = 40g / 358kcal
⑥糖質量 : 1,792 -(416+358)= 254g/1,018kcal
体脂肪を落とすマイナスの作り方
筋肉を1kg増やすのは大変ですが、体脂肪を1kg落とすのはあまり時間はかかりません。体脂肪量にもよりますが、筋肉量を落とさず、体脂肪をカットしていくには、月2kgくらいが目安でしょう。
体脂肪を1kg落とすには7,000〜7,200kcal消費する必要があるという話を聞いたことのある方も多いと思います。(少し単純すぎますが、この数値で考えていきます)
例)1ヶ月で2kgの脂肪を落とす
仮に1ヶ月に2kgの脂肪を落とすとすると、14,400kcal(7,200×2)のマイナスが必要になります。ひと月を30日とすると毎日480kcalのマイナスを作れば、1ヶ月で2kgの脂肪を落とすことができます。
トレーニングを行う日は480kcal以上(+300〜500kcal)、多くても問題ありませんが、まずは難しく考えず毎日480kcalのマイナスを食事で作る方が確実です。
慣れてきたら体重の変化やトレーニングスケジュールに合わせて、食事を組んでいきましょう。
まとめ
ここで算出された数値は、すべて「推定値」なので、目安として使用し、体の変化に合わせて微調整する必要があります。
ダイエットがうまく行かない方は、なんとなく食事量を減らすのではなく、目安となるカロリーを決めて、進めると圧倒的に失敗がなくなります。
自分でカロリーや食事内容がコントロールができれば、トレーナーをつけなくても体を変えることは十分可能です。
その1歩として、まず身近な食事から変えてみてください。
除脂肪(体脂肪を落とす)についてはこちらの本が読みやすくてオススメです。