【相談の回答】かけっこが速くなるには、どうしたらいいの? :すぐに速くなる走り方と練習法

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今回は「トレーナーのお悩み相談室」に届いた相談にブログで回答したいと思います。(基本メールでの回答としています)第3回目は「かけっこが速くなるには、どうしたらいいの?」についてです。

  

相談内容『かけっこが速くなるには、どうしたらいいの?』

年長になる子供の運動会が10月にあるのですが、かけっこが苦手みたいです。運動会までに公園で一緒に練習しようと思っています。どんな練習をしたらいいか、アドバイスを頂きたいです。時間はあまりないので、すぐにできるポイントなどを教えてください。ご回答お持ちしています。

 ※要点を切り取って掲載しています。

たしかに、9月後半から10月前半にかけて「子供のかけっこを速くしたい!」というお仕事が増えてきています。年齢は3歳から10歳前後くらいの子が多いので、相談者さんのお子さんと離れていないですね。

最初に告白しておくと、僕自身は陸上競技を行っていたものの、選手のトレーナーをした経験はありません。

*テキストでは、伝えきれない部分もあるので、動画のリンクも貼っていきます。そちらも参考にしてみてください。いろいろな動画を探したのですが、為末大学ランニング部というチャンネルの動画がシンプルで分かりやすかったので、統一して紹介していきます。

 

専門的に陸上競技として行おうと思ったら、足を速くする要素は、数多くあります。しかし、”かけっこ”であれば、もっと答えはシンプルになると思っています。

たぶん”かけっこ”と呼ばれるものは、クラウチングスタート(地面にしゃがんで手をつく)ではないと思うので、スタンディングでスタートすることを前提として考えていきます。

 

バカにできない!スタート姿勢と腕の振り

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【かけっこ教科書】スタンディングスタートを学ぼう【3ページ】 - YouTube

まず、スタートの姿勢ですが、前に出した足のくるぶし〜かかとに後ろ足の膝が来る足幅で。というのがベーシックなスタンスです。そこから立ち上がり、重心の9割が前足に乗るくらい、上体を前傾させましょう。この時に前傾姿勢が取れていないとスタートの際、体重が後ろに残り不利になってしまいます。

しっかり、前傾してあげましょう。

 

見落としがちな、腕の振り方も重要なポイントです。

【かけっこ教科書】正しい腕の振り方を学ぼう【2ページ】 - YouTube

腕の振りは、速度や歩幅、ピッチを増加させることが分かっています。筋力や体格差など関係なく実践できるので、ポイントを抑えながら再確認してみましょう。

肩・腕を脱力し、肘は90度を目安に曲げます。そのまま、顎の先まで、真っ直ぐに大きく振ります。肩が上下に動いたり、体の横で腕を振らないように注意してください。

 

さぁいよいよ、走り出します!

 

スタートダッシュを制して1等賞!

ここからは実際に走るときの脚の使い方を中心に、かけっこの動作を大きく2つに分解して考えていきます。

①スタートダッシュで地面を強く押す

【かけっこ教科書】スタートダッシュを学ぼう【4ページ】 - YouTube

かけっこの9割がスタートで決まるのではないかと思うほど、スタートの加速局面は重要です。幼稚園や小学校では長くても50mほどではないでしょうか。なかには30mという子もいました。

距離が短いかけっこでは、スタートダッシュからスピードが落ちだす前でゴールしてしまう場合が多いため、走るフォームや姿勢も大事なことですが、これらの合わせ技で、スタートダッシュを成功させる必要があります。

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このスタートダッシュでは、地面を強く蹴る「ピストン動作」をメインに意識します。

スタートダッシュでは、静止した状態から加速しなければいけないため、強い推進力が必要になります。ピストン動作は、股関節、膝関節、足関節の3つの関節で分担して力発揮ができるため、スタートダッシュ向きの動作といえます。

「前傾姿勢を維持したまま、8~10 歩ほど、とにかく地面を強く押す」ようなイメージでスタートダッシュは行いましょう。

 

②トップスピードで素早く脚を回転

スタートダッシュが成功したら、トップスピードに入ります。距離が短い場合、このトップスピード期の貢献度は低くなります。

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スタートダッシュ後は、足先が遠くに伸び、歩幅を広げていきます。筋力が十分ではない幼少期から成長期の場合、歩幅を無理に広げるのではなく、脚の回転を速くするようなイメージを持ってください。

スタートダッシュ時に、前傾していた上半身を起こして、脚の「スイング動作」に入ります。スイング動作では、足の付け根(股関節)を中心に、脚全体を大きく振ります。

スタートダッシュとは違い、膝関節と足関節はそれほど動いていません。

 

このようにスタートダッシュとトップスピードでは、意識すべき動作が異なります。

・スタートダッシュ...「前傾姿勢で、8~10歩ほど、とにかく地面を強く蹴る」

・トップスピード...「8~10歩以降、徐々に顔を上げ、上体を起こしながら、大きく脚を振る」

 

走る以外で効果的な練習は?

「子供のときから筋トレするべきですか?」という質問を度々されますが、幼少期から成長期の子供の場合、筋肉を大きくするというよりは、動作を練習することで十分タイムが良くなります。筋肉が大きくなるのは思春期以降といわれ、筋トレによる成長軟骨障害などもあるため、重要度は低いと考えてください。

【相談の回答】成長期の子供に効果的な筋トレってあるの? - とれはぶ

もし「何か筋トレをしたい!」という方は、こちらも参考にしてみてください。

ここでは筋トレ以外の練習を紹介します。

  

「股関節ドリル&SAQ」で動きの基礎と神経系の学習をサポート

股関節のドリル - YouTube

「股関節ドリル」 は名前の通り、股関節の動作練習のようなもので、もも上げや股関節を回すなどの動きの基礎を準備体操として行います。

息を上げるようなものではなく、体の使い方を覚えるようなイメージです。

ラダーやミニハードルを使って行うSAQというトレーニングも反応や動作の練習として、神経発達が活発な、幼少期から成長期にはとくに効果的です。

 

「プライオメトリクス」でバネのようにしなやかに

ステップ台(プライオメトリック系) - YouTube

「プライオメトリクス」は筋肉や腱の伸び縮みを上手に使い、バネのようにしなやかな動きをつくるトレーニングです。ジャンプやスキップ、けんけんなどもプライオメトリクスの練習になります。

プライオメトリクスの簡単なポイント

・姿勢を崩さない

・足の裏全体ではなく、つま先で動作する

・床・地面の接地時間をできるだけ、短くする

などのポイントをチェックして行ってみてください。

 

また、成長期の子供は、成長軟骨の障害につながる場合があるので、動作の練習として行う際は、長時間・高回数の練習は避け、注意して行いましょう。(【相談の回答】成長期の子供に効果的な筋トレってあるの? - とれはぶ

 

練習はできる限り短く!頑張りすぎないススメ

どの練習も量をこなせばいい、というわけではありません。

そこで活用してもらいたいのが、動画です。

スタートダッシュや各練習のフォームチェックを動画を撮りながら行い。フィードバックしてもう1回行う。という方法が理想的です。「腕は振れてるけど、体が前傾してないね」って感じで、動画を見せて確認してあげましょう。意外と自分がどうなっているかを動画で見ると、習得が早い子もいるので、タイミングをみて、良かったところ・修正するところ、を客観的に見てみましょう。

スマホのカメラで十分です。スローで再生するとさらに細かく分かり、練習の成果も感じやすくなります。

気合いや根性では、体がいくつあっても足りません。怪我のないよう、練習量はしっかり管理してあげてほしいと思います。

 

まとめ

以上。今回は「かけっこが速くなるには、どうしたらいいの?」についての回答をしました。体が変わっていなくても動作が上手くなれば、タイムはどんどん伸びていきます。(一定のところまでは)まずは、安全に1つずつ確認しながら練習してもらえればと思います。

 

1等賞目指して頑張って下さい!応援しています!

 

お気軽にご相談ください。